掛軸(かけじく)とは、書や絵画を裂や紙で表装して壁面に掛けて鑑賞するものです。
掛軸(かけじく)は古くは鎌倉時代から飾られており、日本だけではなく、中国、朝鮮半島など東アジアにおける絵画の代名詞でもありました。 とくに日本では、美を常に鑑賞できるよう独自の生活空間に飾るものとして伝統的なしつらえの中、その形態が確立されてきました。
しかし、近年の日本では住居に床の間がなくなり、掛軸(かけじく)需要が減ってきています。
今、掛軸(かけじく)の巻いて収納できる特徴を生かし、壁面を飾るものとして現代建築にあうデザインのものを従来の規格にとらわれず、また使用材料や製作方法を伝統に基づきながら改良を重ね、より現代の生活環境にあった、安らぎを求められる作品の製作に、日々研鑽致しております。
〜 手打ち 〜
永年の経験とセンスで、作品に適した裂地を取り合わせ、裁断します。
薄美濃に糊を付け、本紙と裂地の裏側に貼り付けます。美栖紙による2回目の裏打ち。撫で付けの後、打ち刷毛で打ち込みます。
永年の経験とセンスで、作品に適した裂地を取り合わせ、裁断します。
軸巾を裁断し、縁を折り返して糊付をします。
軸巾を裁断し、縁を折り返して糊付をします。
継ぎ合わせの厚みを均一にするため、宇陀紙の上下をちぎって和紙繊維を毛羽立たせます(喰い裂き)。喰い裂きした宇陀紙で裏打ちし、さらに打ち刷毛で叩き、全体を一体化させます。
仮張り板に張り、充分に自然乾燥させます
掛かり具合をよく安定させるため、数珠で裏側から摺ります。
巾に出ている余分の宇陀紙をそぎ落とします。
表木と軸棒を取り付けます。
風帯を表木部分に縫い付けます。
鐶を打ち付け、掛緒・巻緒を結びつけると完成です。